オステオパシーは、筋肉や骨格を調整することで、静脈、リンパ、脳脊髄液などの体液の循環を正常にもどし、体内環境を整えることで回復力(自然治癒力)を促進させるのを目的としています。これらの体液循環は一部、呼吸運動をポンプ作用として循環しています。この呼吸運動は自律神経の作用を受け自律神経は全身に影響を与えます。したがって、オステオパシーの技術は古くから筋骨格系の調整をすることで、体液循環機能を促進させ様々な体の不調を改善させることが目的なのです。
オステオパシーの歴史
オステオパシー医学はアメリカのミズーリ州カークスビルで生まれた医師アンドリュー・テイラー・スティルによって研究され創始された手技療法である。医師であった彼は南北戦争に従軍したが、そこで当時の原始的で危険な医療技術、薬(水銀剤、麻薬、アルコール液など)に対して無力さを感じていた。その後、脳膜炎で三人の息子を失うこととなり、このような悲劇的体験から今までの医療方法に不信感を抱き新しい医療方法を模索し始めるのである。
スティルは子供の頃、時々起こる頭痛に悩ませれていた。ある日、激しい頭痛が起きたとき、家の庭先にあったブランコに後頭部を引っかけていたら、そのまま眠ってしまったという。目が覚めてみると頭痛が治っていて、それ以来頭痛は起きなかったという。この時の体験をを元に骨、筋肉、靭帯、様々な組織などの研究を進めていきオステオパシーの原理を追い求めていくことになる。その結果、体は一つの機械であることに気づいた。それは体は靭帯や筋肉で支えられている骨で枠組みが創るられていて、収縮運動を繰り返し血液(静脈血)、リンパ液、脳脊髄液などの体液を循環している機械であると考えたのである。また、このような循環器系と神経系が人の健康と病気に重要な影響を及ぼしていることも見出した。彼は、このようなことから体は健康であるべく組み立てられていて、筋骨格系を矯正することで「人間は自ら体内で薬を作れる」と人の免疫力を強く信じるようになる。そして、この医療方法をオステ「骨」、パシー「病理、治療」の組み合わせ語でオステオパシー「骨格の治療」と命名した。
スティルはオステオパシーの手技療法で心臓病、頭痛、腰痛、背中の痛み、リウマチや伝染病までも治療できると主張し、実際にアメリカ上院議員の息子の心臓病を治療したり、女性の喘息を上部胸椎と肋骨の調整で完治させたりとオステオパシーの医学的効能を発表した。その噂が広まり徐々に社会的に認識されていった。
1892年までにスティルはオステオパシーの哲理と技法を完成させ、ミズーリ州カークスビルにアメリカンスクール オブ オステオパシーを開校させた。